道東の太平洋沿岸を中心にウニや秋サケなどの漁業被害が相次いでいる問題を受けて、道は1日の道議会の特別委員会で、周辺の海域で発生している赤潮が原因かどうか究明を急ぐ考えを示したんです。ウニ・サケが死亡で漁港と釣り人に被害!
釧路地方から日高地方にかけての太平洋沿岸では、9月下旬からウニや秋サケなどが大量に死ぬ被害が相次ぎ、道などは赤潮が原因の可能性があるとみて調査を実施。
道東海域での赤潮でウニ・サケが死亡で漁業者と釣り人に被害!
プランクトンが異常に増殖することで起こる「赤潮」が9月3日に函館漁協で確認されていたことが始まりなんです。
9月20日~29日にかけて道東の釧路市・釧路町・厚岸町・白糠町・豊頃町・広尾町・日高のえりも町・様似町・浦河町、それに根室市に至る広範囲の海域で確認されたんです。
どうやら津軽海峡通ってたどり着いたようなんです。
研究機関で分析した結果、西日本を中心に分布する「カレニア・ミキモトイ」と呼ばれる植物プランクトンによるものだったんです。
赤潮とは、プランクトンの異常繁殖で海が茶褐色に染まる現象なんです。
魚はプランクトンがエラに詰まって白くなり、また海中の酸素濃度が低下して死ぬんですが、道東沖の海水温は低くプランクトンが繁殖しづらい海域なんですが、最近海水温が高いのでそれが原因なんではないかと指摘してるんです。
北海道が各地の漁協から聞き取った9月30日時点の漁業被害の状況が報告されました。
サケの大量死
●大津漁協(豊頃町)⇒ 約4,600匹
●釧路市東部漁協(釧路市)⇒ 約840匹
●昆布森漁協(釧路町)⇒ 約380匹
●白糠漁協(白糠町)⇒ 約500匹
●えりも漁協(えりも町)⇒ 約1,280匹
●日高中央漁協(浦河町)⇒ 約60匹
ウニの死骸
●えりも漁協⇒ 約10トン(海岸に打ち上げられる)
●釧路市東部漁協・釧路市漁協・昆布森漁協⇒ 漁獲予定の約9割
●厚岸漁協(厚岸町)⇒ 漁獲予定の約8割
●散布漁協(浜中町)⇒ 漁獲予定の約5割
豊頃町では秋サケ大量死
9月以降、秋サケが大量に死んでいるのが確認されている十勝の豊頃町の漁港では、1日朝も漁獲した秋サケのおよそ6割が死んでいるのが確認され、被害が深刻さを増しているんです。
豊頃町の大津漁港では9月1日から秋サケの定置網漁が始まったんですが、9月下旬以降、大量に死んでいるのが確認され、死んだ秋サケが30日までにおよそ4,000匹にのぼっているんです。
1日朝も、午前6時半頃から漁船が漁から戻ってきたんですが、漁獲した秋サケの多くは死んでいたんです。
大津漁協によれば、1日およそ6割にあたる860匹が死んでいて被害は深刻さを増しているようです。
死んだ秋サケは出荷せず、廃棄するということなんです。
76歳の漁業者は「こんなに大量に死んでいるのは今までなかったしことしは異常だ。死活問題になっている」と話していたんです。
育成中のクロソイ稚魚も
漁獲された秋サケが大量に死んでいるのが確認されている十勝の豊頃町の漁港では、港内の施設で飼育されていたクロソイの稚魚が死ぬ被害も出たんです。
大津漁協では、大津漁港内の施設でクロソイなどの稚魚を育てて、一定の大きさに成長した段階で放流する事業を20年以上前から行っています。
しかし、9月25日ごろに育成中のクロソイの稚魚、およそ1万匹のうち、200匹が死んでいるのが確認されたんです。
このため大津漁協は、残りの稚魚に被害が及ばないように、急きょ9,000匹以上のクロソイの稚魚をすべて海に放流したんです。
死因はわかっていませんが稚魚を飼育していた水槽の水には、港内の海水が使われていたんで、漁協などは赤潮が影響している可能性があるとみているようです。
その他の死骸
●大樹漁協(大樹町)⇒ 養殖中のサクラマス約9割にあたる2,000匹
●釧路市東部漁協⇒ ツブ200キロ・養殖ウニ120キロ
水産林務部の佐藤卓也部長の話によると、大量死と赤潮の因果関係について⇒ 道総研水産試験場と連携し、要因などの究明を進める
被害が発生した海域の海水中に含まれるプランクトンのモニタリングを実施し、漁協や市町村などへ速やかに情報提供し、被害の軽減を図るようなんです。
被害を受けた漁業者に対し漁業振興資金を通じた融資や、漁業共済を活用した減収分の補てんを進めるとともに、国にも支援を求めていく考えを示したんです。
最近釣りマニアから、釧路港にサケが来ないとぼやいていたんです。
釧路港内にはまだ赤潮は来ていませんでしたが、ここで疑問なんです。
赤潮の海中で生き延びたお魚は、人間が食べても大丈夫なんでしょうか?
北海道東部の赤潮が原因のウニやサケなどの被害額が76億円
10月21日 追伸
北海道東部を中心に発生した、赤潮が原因とみられるウニやサケなどの被害額が約76億円に上ることが分かったんです。
この漁業被害は、今まで北海道では経験のないもの
北海道は10月21日、対策会議を開き赤潮が原因とみられる漁業被害について協議したんです。
会議では被害総額が約76億円に上ることが報告されたんです(10月18日現在)。
そのうちウニが約68億円・サケが5500万円・ツブなどが7億円の被害となったんです。
北海道によりますと、少なくとも4種類の有害プランクトンが確認され、水温が高く塩分が低い所で赤潮が発生したもようなんです。
北海道は原因究明を進めるとともに、4年間はほぼ生産が見込めないウニの種苗を安定供給する体制などを構築し、国に支援を要請する方針なんです。