タンチョウは釧路を象徴する貴重な鳥なんです。その美しい姿が見られる生態や音羽橋の観察スポットや魅力についてお伝えします。
釧路湿原での生きた遺産タンチョウの生態とは?
特別天然記念物であるタンチョウは、一度は絶滅したと思われていた幻のタンチョウなんです。
白・黒・赤の美しいコントラストと気品に満ちた佇まいは、日本のシンボルでもあって、アイヌの人々にも古くから「サロルンカムイ(湿原の神)」と呼ばれてきたんです。
またタンチョウは生涯をかけて互いを守り慈しむため、夫婦円満の象徴とされてきたんです。
その愛情深さは格別で、怪我を負って飛べなくなったオスが、給餌場のエサを遠く離れた家族のもとへと歩いて運び続けたという逸話があるほどなんです。
タンチョウは春から夏にかけて湿原で産卵や子育てを行い、秋から冬に人里へ姿を現します。
タンチョウってどんな鳥?
タンチョウは、鳥綱ツル目ツル科ツル属に分類される鳥類。 その美しさから、日本や中国では古来深く親しまれてきた鳥である。 タンチョウを含む鶴は、特に日本では折鶴、千円紙幣、昔話などで多く取り上げられてきた。一般的には単に「ツル」と言えばこの事を指す。また、「タンチョウヅル」とも呼ばれる。
ウィキペディア より
タンチョウの頭頂部はなんで赤いの?
古くから親しまれてきたタンチョウツル。その優美で美しい姿は日本の象徴とも言ってよい存在なんです。
頭の赤い部分が特徴的です。タンチョウツルは漢字で「丹頂鶴」と書きますが、「丹」が「赤」という意味であることが由来と言われています。オス・メスともに同じ色していますが、でも子供のうちは灰色なんです。
タンチョウの美しさのポイントでもあるこの頭部の赤い部分、実は羽毛ではないのです!!
皮膚が露出しているので赤く見えるというわけで、興奮したり威嚇したりすると血流が良くなって、赤い粒状の部分が膨張して大きく見える事があります。
赤い部分の大きさでタンチョウが今どんな気持ちなのか、ある程度察することができるんです。
タンチョウの足には隠された武器とはなんですか?
タンチョウの脚は細長く弱く見えますが、実際は強いんです。
攻撃する時くちばしだけでなく、飛び蹴りをすることもあるんです。
足の爪は鋭くなっていまして、相手をこれでひっかくことも可能なんです。
これで引っかかれてしまってはキタキツネも猛禽類もひとたまりもないんです。
給餌場ではキタキツネがタンチョウたちに攻撃を受け、なすすべもなくさっさと逃げて行った例が観察されているんです。
さらにタンチョウの脚は一般に黒っぽい色をしているんですが、足の裏は黒っぽい個体と、肌色のような色の個体の二種類があるといいます。
遺伝的要素が深く関係していて、詳しいことはまだ分かっていません。また足の指は四本で、実は水かきもあるんです。泳ぐ姿を目にする事はありませんが!!!
タンチョウの舌の先が割れている理由はなんですか?
タンチョウの舌は、実は細長い舌の先が三つに割れているんです。
その理由は餌を拾うときに、箸のような役割を果たすくちばしで、上に飛ばす際に割れた舌でポケットを作るかのようにして餌を捕えるので、下を向いたままでも餌を食べることができる仕組みになっているんです。
とても器用な鳥なんですネ!
タンチョウは雑食性なので、植物はもとより魚介類・昆虫・甲殻類や両生類なども食べるんです。
なので雑食性のタンチョウは、食べた物の消化を助けるために、小石を食べる習性があるんです。
タンチョウのオスとメスの見分け方を教えてください?
オスとメスの違いは、夫婦で鳴き合う声のみでしか分かりません!
見た目では、オスとメスの判別がつかないんです。
オスとメスは声の高さや長さ、素音の数で違いがわかるんですが、鳴く姿もオスはメスより翼を高く持ち上げ、オスが一声「コー」と先に鳴きだすと、その声にかぶせるようにメスが「カッカッ」と2~3回声を続けて鳴くんです。
「コー」・「カッカッ」・「コー」・「カッカッ」という風に聞こえてくるんです。
つがいになったツルは、お互いの絆を確かめたり相手を威嚇したり、縄張りを宣言するときにこのように鳴くんです。
タンチョウの給餌の歴史
大正時代後期、20羽ほど湿原の奥で生きているのが確認されたんです。
そこで釧路丹頂鶴保護会(1935年に結成)が給餌を試してみたところ、タンチョウが人里へ近づいてくるようになったんです。
1948年~1949年の冬には、タンチョウが阿寒に姿を見せるようになり、1950年1月には数羽のタンチョウが山崎定次郎(やまざきさだじろう)さんの畑に舞い降りたんです。
山崎さんが家畜用のとうもろこしをまいてみたところ、タンチョウはこれに応えるようにエサを食べ始め、それからは毎年来るようになったんです。
大吹雪に見舞われた1952年、多くのタンチョウが自然のエサを採れなくなって、鶴居村幌呂小学校でも給餌が試みられて、飢えたタンチョウがとうもろこしを食べるようになったんです。
その後、多くの人が給餌活動を続けていますが、冬場の給餌活動のきっかけを作った山崎さんが住んでいた上阿寒は、「人工給餌発祥の地」と称されているんです。
1年中タンチョウを観察できるところってありますか?
タンチョウツルの夏場は釧路湿原の奥地に生息してるんです。
そのため大自然で暮らす姿を見ることはめったに観れません。
そんな夏場におすすめのスポットが、季節・天候を問わずタンチョウツルを観察できる「釧路市丹頂鶴自然公園」と、「釧路市阿寒国際ツルセンター」があるんです。
釧路市丹頂鶴自然公園
ここではタンチョウの飼育や保護を行う施設で、通年自然に近い状態で飼育されている十数羽のタンチョウを間近で観察することができます。
釧路市丹頂鶴自然公園の初代園長の高橋良治さんは、「鶴になった男」として有名なんですが、親鳥の代わりに幼鳥に飛び方を教えた人工飼育の権威なんです。
ここは、世界的に優れた人工ふ化と飼育技術を持つ施設としても知られています。
時期的に5月~6月頃に愛らしいヒナの姿をご覧いただけることも可能なんです。
営業時間⇒ 公開: 4月10日~体育の日 9:00~18:00・体育の日の翌日~4月9日 9:00~16:00
休業日は12月31日~1月3日
所在地⇒ 〒084-0926 北海道釧路市鶴丘112
電話番号⇒ 0154-56-2219
アクセス⇒ JR釧路駅より車で約28分・釧路空港より車で約10分
釧路市丹頂鶴自然公園
釧路市 阿寒国際ツルセンター
タンチョウの研究や情報発信・保護を目的として、日本で唯一の施設です。
施設内には展示解説があって、屋外では自然に近い状態で飼育されるタンチョウを通年観察できます。
11月から3月は、隣接する「分館タンチョウ観察センター」で人工給餌が行われていますので、多い時は300羽近い野生のタンチョウを見ることができるんです。
営業時間⇒ 9:00~17:00
※タンチョウ観察センターは8:30~16:30(11月~1月は16時まで)
所在地⇒ 085-0245 北海道釧路市阿寒町上阿寒23-40
電話番号⇒ 0154-66-4011
アクセス⇒ JR釧路駅より車で約40分・釧路空港より車で約30分
阿寒国際ツルセンター
タンチョウを自然の姿で観察したい!
タンチョウを自然の姿で観察したいのであれば、3か所あるんです。
それは「伊藤サンクチュアリ」・「鶴見台」と「音羽橋」なんです。
タンチョウの保護を目的とした伊藤サンクチュアリ
タンチョウとその生息地を保護するため設置された(公財)日本野鳥の会が運営する施設です。
サンクチュアリの大部分の土地は、長年タンチョウ給餌人を務めた伊藤良孝氏から提供されたもので、その名がつけられています。
冬期間は、タンチョウ給餌場の一つとして給餌が行われ、サンクチュアリ内のネイチャーセンターでは、タンチョウの鳴き声や行動についての解説を聞くことができます。2019年10月3日から、ネイチャーセンターは開館しましたが、鶴居村周辺では、タンチョウたちが集まり始めています。
等ネイチャーセンター周辺で鳴き声が聞こえることも多くなりました。給餌は11月から行っているので、本格的な飛来は11月中旬以降になります。
タンチョウを観察、撮影する際は、タンチョウの生活を脅かさず、農作業や交通の妨げにならないよう、マナーを守って観察・撮影をお願いします。
また、自動車を利用する場合は、車から降りるとタンチョウが警戒するため、車内から観察するようにしてください。
このように最低限のマナーを守っていただけると、執筆者も記事を書いた意味があるんです。
( `・∀・´)ノヨロシク!
伊藤サンクチュアリ
タンチョウの数が圧倒する鶴見台
釧路市から鶴居村へと行く道道53号線沿いにある、全国規模の観光スポットである鶴見台ですが、毎年11月から3月にかけて180羽あまりのタンチョウが集まる大給餌場なんです。
午後2時半頃になると、ここを個人で管理している「渡部トメ」さんが給餌をしている姿が見られたら、タンチョウの舞いが観られるかもしれません。
冬の最盛期には約180羽、夏でも運がよければ数羽のタンチョウを見ることができます。
近くにはギャラリー&レストラン「どれみふぁ空」がありますので、軽食も取れます。
所在地⇒ 〒085-1211 北海道阿寒郡鶴居村下雪裡
アクセス⇒ JR釧路駅から車で約40分・釧路空港から約40分
鶴見台
享年99歳だったんです。
ご冥福をお祈りします。
尚、鶴見台でのタンチョウの給餌は、親族である息子さんが後継するので今もタンチョウの華麗な雄姿が観られるので来てくださいネ!!!
タンチョウの寝グラである音羽橋で撮る写真が幻想的なんです!
豊富な湧き水で真冬でも凍らない雪裡川(セツリガワ)に架かる音羽橋(オトワハシ)は、川の中のタンチョウのねぐらを唯一脅かすことなく観察、撮影できるポイントなんです。
12月から2月にかけて、冷え込んだ朝は川霧に浮かぶ彼らの姿は幻想的で思わず寒さを忘れます!
日によって気温は変わりますが、氷点下10度から20度を想定して撮影に臨むと良いと思います。
橋の両サイドに広い駐車スペースがあるので、車は必ずそこへ停て、エンジンは停めるのがマナーなんです。
特別天然記念物の希少な野生動物の、貴重なねぐらだということを忘れないようにお互い譲り合って静かにシャッターチャンスを待ってください!
最近外国人のマナーの悪さが目立っていますが、怒らず「おもてなし」気分で許してくださいネ!
所在地⇒ 〒085-1200 北海道阿寒郡鶴居村雪裡原野北7線東
アクセス⇒ JR釧路駅から車で約40分・釧路空港から約40分
音羽橋