忍者クマの異名を持つOSO18は、過去に上オソベツから標茶町・厚岸にかけて乳牛66頭を襲い32頭が死亡が確認されているヒグマですが、7月30日に農地に頻繁に出没したヒグマを駆除してDNA鑑定した結果8月22日にOSO18と発表されました。
そしてoso18を仕留めたハンターが意外な人物だったんです。
ヒグマOSO18による被害
今回駆除されたヒグマOSO18は、
オスで10歳以上
全長⇒ 2.1m
体重⇒ 330㎏
体形はやや大きめであるが普通の個体ですが、相当大きな牛も襲っていたということです。
これまでなぜ捕獲できなかったのか?
OSO18は、警戒心が強く、頭もいいということです。
通常のヒグマは、餌に対する執着心が強いので、食べ始めてもその近くからは離れないということですが、OSO18は少しだけ食べたら、その場を離れるということです。
さらに、地元では「忍者グマ」とも呼ばれていて、移動した痕跡をほとんど残さないということです。
標茶町の担当者の方に話を聞くと「クマは基本的に水の中を移動するので、そこまで痕跡残らないクマもいますが、OSO18の場合は、特に残さないという、かなり際立っている」ということです。
釧路町農地で頻繁に出没したヒグマを駆除後OSO18のヒグマを確認
そして、7月30日午前5時ごろに、釧路町で数日にわたって農地に頻繁に出没したヒグマを捕獲して駆除しました。
8月10日に釧路町は、もしかするとOSO18の可能性があるのではないかということで、標茶町を経由して、体毛のDNA鑑定を行いました。
そして22日に分析の結果、OSO18と発表されました。
釧路町農家でoso18を捕獲駆除したときの様子
8月23日 追伸
釧路町役場の関係者が説明するには逃げなかったようです。
捕獲現場の近くには民家もあり、危険が及ぶ前に駆除を決めました。ただし、駆除したらOSO18だった、というのが実状です。
釧路町にOSO18がいるなんて、まさか想像していませんでした。釧路町の酪農家は3軒だけですからね。
駆除現場にいたハンターは一人です。彼もまた、駆除したヒグマがOSO18だという認識はありませんでした。
OSO18は警戒心が強いと評判で、忍者グマという異名もありました。ところが、現場にいたヒグマは人を見ても逃げませんでした。
これまで伝えられてきた特徴とは異なるため、OSO18だと思わなかったようです。
ただ、捕獲したヒグマが大きかったため、もしかしたらと思ってDNA検査に出したところ、OSO18だと確認されたのです。
oso18を捕獲駆除したハンターの素性が意外な人物でした。
8月23日 追伸
北海道庁から「OSO18特別対策班」に任命されたNPO南知床ヒグマ情報センターのハンターらは調査を重ね、地元のベテランハンターも懸命に捜索を続けてきた。
しかし、OSO18を仕留めたのは意外な人物だった。
「釧路町役場の40代の男性職員で、ヒグマを含む有害鳥獣駆除対応を担当する部署に所属しています。役場に勤務する一方、鉄砲撃ちとしての顔も持っています。役人ハンターは珍しいと思います」(猟友会関係者)
このハンターは、たった一人で酪農家を苦しめてきたOSO18を仕留めた。その実力とはどれほどなのか。
「まだ鉄砲を持つようになって4~5年ですが、『腕がいい若手ハンター』と評判です。
狩猟免許を取得した初めての年、彼は80頭以上のシカを駆除しました。これは新人としては異例の数字です」(前出・猟友会関係者)
もっともヒグマを捕獲したのは初めてという。猟友会関係者は続ける。
oso18の最後の瞬間
8月23日 追伸
頭部への3発目でようやく息が切れたとのことで、“最期の瞬間”はさすがに恐怖で震えたそうです。
大仕事をやってのけた一方で、クマ撃ちの経験不足もみせています。大物を捕獲した場合、記念に剥製にすることがよくあります。
これだけ世間を騒がせたOSO18となれば大々的に剥製にされて展示されてもおかしくない。
しかし、彼はあまりの大きさにどうしていいかわからず、その日のうちに業者に持ち込んで解体し、一部を残して処分してしまった。残念ながらいまは牙くらいしか残っていないそうです。
忍者グマ OSO18 釧路市の飲食店でヒグマの味噌煮込みとして提供
8月25日 追伸
OSO18は白糠町の加工会社 馬木葉で精肉加工され、8月24日夜、釧路市の飲食店で客に提供されました。
メニューは味噌煮込みで、クマの肉とゴボウを味噌で煮込んだもので、食べた客は「くさみもなく、柔らかくておいしい。OSO18の肉だと聞いて驚いた」と話していました。
馬木葉の松野穣社長によりますと、クマは7月30日にハンターによって持ち込まれ、その時の第一印象は「少し大きめの普通のクマ」。
比較的、高齢のクマとみられ、夏時期ということもあり、脂はのっておらず、痩せていたといいます。毛は全体的に短かめで、皮膚病などの形跡はありませんでした。
また、OSO18は臀部に傷があると言われていましたが、持ち込まれたクマの臀部にも薄い傷のようなものがあったということです。
松野社長は「牛を襲って食べていたので、脂がのっていて500キロくらいあるというイメージだったが、実際は痩せたクマで、最後はあっけないなと感じた。捕獲するだけではクマに申し訳ないので、有効利用するのが一番いいのではないかと思う」と話していました。
松野社長によりますと、クマは年間5.6頭しか入らない高級品で、OSO18の肉は、釧路市の飲食店のほか、東京都のジビエ料理店や通販会社が仕入れたということです。
oso18 の肉がネット通販で食材として販売され人気を博しています。
販売しているのはジビエや魚介、野菜など北海道産の食材を提供するECサイト「釧路丹頂商店」。OSO18のさまざまな部位を食肉として提供しているが、売り切れが続出している。
釧路丹頂商店の商品ページによれば、OSO18の肉は「野性味と濃いうまみが特徴。
また、熊肉には身体を温めたり滋養効果が期待され、脂が甘く、コラーゲンも豊富」という。ただし、8月25日午後1時時点でOSO18の肉は全て売り切れている。
ECサイトを運営するトライ・ユウ(北海道釧路市)に話を聞いたところまだOSO18の一部部位の肉は残っているため、今後再販する予定という。
TBSニュースキャスターの意見
松田丈志さん⇒
2019年から被害が出ていて、人に危害を加える可能性もあったので、駆除されたことは良かったと思いますが・・・・
なぜ街中に来て、食べ物をあさったりしていたのかを考えると、OSO18が食べるべき餌とかが無くなってきていて、それは気候変動の影響もあったのかなと思います。
ホランキャスター⇒
街と山の境目が、近年どんどん近づいて分からなくなってきている中で、自然環境の生き物たちは、どうやって生息するべきかですよね。
南波キャスター⇒
人にも被害があったということで、北海道厚岸町の「おのでらふぁ〜む」は、2021年7月に乳牛1頭がOSO18の被害に遭いました。
対策として、防護柵や電気柵、ロケット花火など、あらゆる対策を講じてきました。
「おのでらふぁ〜む」の小野寺孝一さんは「OSO18が駆除されてよかった。とりあえずは一安心だ」と話しています。
ただ懸念もあるということで、「第2・第3のOSO18が出てくる可能性もあるので心配。引き続き対策は続けます」とも話されています。
あくまでも地元の噂ですが、OSO18以外にも乳牛を襲っているクマがいるのではないかという話も出始めているそうです。
日比麻音子キャスター⇒
「忍者グマ」と言われるほど、対策が本当に難しかったということで、地元の方は、様々な工夫を続けていたと思いますが、第2・第3のOSO18が現れる心配はまだまだ尽きないことになりますね。
松田丈志さん⇒
可能性は大いにあると思います。ただ、その土地土地に住んでいる生物たちと共存していく形を追求してほしいと思います。
人の生活と、野生の動物の生活する環境を守っていく方法がないのかなと思います。
ホランキャスター⇒
電気柵をよけるように穴を掘ったり、匂いを残さないように体を洗ったりと大変用心深い。
賢くて用心深い生き物たちが、万が一、人里に現れた場合、どういう対応をすればいいのかというのは、そういった生き物に遭遇する
日比キャスター⇒
気候変動の様子を見てみても、人間が、これまでの経験でなかなか太刀打ちできない状況が続いていますから、もっと広い目で環境と向き合っていきたいですね。
松田丈志さん⇒
その課題を我々が背負ってる時代に生きてると思いますね。