新型コロナのワクチンではこれまでに使われた経験のない遺伝子ワクチンが実用化されました。のアストラゼネカ・ファイザーやスプートニク等が今話題になっているんですが、ワクチンの種類はどのようなものがあるのでしょうか、そしてワクチンの成分紹介していきます。
イギリスアストラゼネカの新型コロナワクチン
AZD1222は、オックスフォード大学とそのスピンアウト企業であるVaccitechによって共同で発明されました。
チンパンジー由来の一般的な風邪のアデノウイルスを弱毒化し、体内で増殖しないように処理をして、そこにSARS-CoV-2ウイルス表面のスパイクタンパク質の遺伝物質を組み込んだものを使用します。
ワクチン接種後、SARS-CoV-2ウイルスの表面のスパイクタンパク質が体内で形成され、実際にSARS-CoV-2ウイルスに感染した時に、ウイルスを攻撃するよう免疫システムが刺激されます。
アメリカファイザーとドイツビオンテックの新型コロナワクチン
新型コロナウイルスのワクチンでは、人工的に合成したウイルスの遺伝子を使った遺伝子ワクチンが、世界で初めて実用化されました。
国内で最初に接種が始まったワクチンも遺伝子ワクチンの1つ、「mRNAワクチン」でウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質を作るための遺伝情報を伝達する物質、mRNAを使います。
人工的に作って注射で投与することで、体の中でスパイクたんぱく質が作られ、それに免疫が反応して抗体が作られます。
新型コロナウイルスの感染が広がる前には実用化されていなかった新たな技術で、開発にかかる期間が従来のワクチンより大幅に短縮できるのが大きな利点になっています。
アメリカの製薬大手ファイザーとドイツのバイオ企業ビオンテックが開発したワクチンやアメリカのモデルナが開発したワクチンがこのタイプです。
mRNAを使った医薬が実用化されたのはこれが初めてで、日本国内でも製薬大手の第一三共が、開発を進めています。
中国のシノバックやシノファームの新型コロナワクチン
不活化ワクチンは、実際のウイルスをホルマリンで加工するなどして、毒性をなくしたものを投与するワクチンです。
季節性インフルエンザのワクチンはこの種類で、新型コロナウイルスでは、国内のワクチンメーカー、KMバイオロジクスなどが開発を進めています。
海外では中国のシノバックやシノファームなどが実用化し、中国などで接種が始まっています。
アメリカノババックスの新型コロナワクチン
VLPワクチンと同様、ウイルスの表面にあるスパイクたんぱく質を人工的に作り出すワクチンの1つが組み換えたんぱく質ワクチンです。
遺伝子組み換え技術を使って人工的にたんぱく質を作って投与することで、体内でウイルスを攻撃する抗体を作り出します。
新型コロナウイルスでは、国内の製薬大手、塩野義製薬が(しおのぎ)開発を進めています。
また、アメリカの製薬会社ノババックスのワクチンもこの種類で、開発が成功すれば武田薬品が国内向けに供給する予定です。
ロシアのスプートニクVの新型コロナワクチン
ウイルスベクターワクチンは、ウイルスのスパイクたんぱく質を作る遺伝子を、無害な別のウイルスに組み込んで、そのウイルスごと投与するワクチンです。
無害なウイルスが細胞に感染して、新型コロナウイルスのスパイクたんぱく質を作りだし、抗体が作られます。
イギリスの製薬大手アストラゼネカとオックスフォード大学が開発したワクチンやアメリカの製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソンのワクチン、それにロシアの研究機関が開発したワクチン、スプートニクVもこのタイプです。
日本国内でもバイオ企業のIDファーマが開発を進めています。
アンジェスの新型コロナワクチン
遺伝子ワクチンの別のタイプが「DNA」ワクチンでDNAを人工的に作り出して、ワクチンとして接種します。
投与されたDNAは、体内の細胞の中で核に入り込んでmRNAを作りだし、そのmRNAによってスパイクたんぱく質が作られることで、抗体が生み出されます。
大阪大学発のバイオベンチャー企業、アンジェスのワクチンはこのタイプで、国内では最も早く、実際に人に投与して安全性や有効性を確認する臨床試験を始めています。
VLPワクチン
ウイルスそのものを使わないタイプのワクチンも多く開発が進められています。
このうち「VLPワクチ」ンは、ウイルスそのものは使わず、ウイルスの表面に出ている突起の「スパイクたんぱく質」を人工的に合成したものを投与します。
「スパイクたんぱく質」は、ウイルスを攻撃する抗体の目印となるもので、人工的に作って投与することで、人に備わっている免疫の働きによって抗体を作り出す仕組みです。
新型コロナウイルスでは、大阪大学などで研究が行われているほか、アメリカなどでは数万人規模で安全性と有効性を確認する臨床試験が行われています。
DNAワクチン
最も歴史のあるワクチンの1つが実際のウイルスや細菌の中から毒性の弱いものを選んで増やした「生ワクチン」で、「弱毒化ワクチン」とも呼ばれます。
毒性の弱いウイルスそのものを体内に入れることで、免疫の働きでウイルスを攻撃する抗体などを作り出します。
生ワクチンは効果が高いものも多く、はしかや風疹など従来からさまざまな病気に対して使われています。
一方で、たとえばポリオなどではまれに生ワクチンによって感染したケースがあり、課題になっています。
新型コロナウイルスでは、ワクチンメーカーの阪大微生物病研究会や東京大学などで研究や開発が行われています。
ワクチンの成分
ワクチンには免疫機能を働かせるために必要な物質のほかに免疫の働きを助ける成分や品質を保つための成分などが添加物として含まれています。
このうちアメリカの製薬大手、ファイザー製のワクチンには抗体の目印となるたんぱく質の遺伝情報が入ったmRNAという物質が含まれています。
また添加物として、mRNAが壊れるのを防ぐため、ポリエチレングリコールと呼ばれる物質が含まれているほか、コレステロールや塩化カリウムなども含まれています。
従来のワクチンとは異なり、実際のウイルスの成分は含まれていません。
一般的にワクチンのアレルギーなどは、ワクチンに含まれた添加物が原因となる場合があるとされています。
過去にはインフルエンザのワクチンなどにはゼラチンが含まれていたことがありアレルギーの原因ではないかと指摘されました。
今回の新型コロナウイルスのワクチンではゼラチンなどは含まれていませんが、海外では、接種したあとにまれにアナフィラキシーと呼ばれる激しいアレルギー反応が起こることが報告されています。
新型コロナワクチン種類と成分まとめ
イギリスのアストラゼネカは副反応で血栓ができるとか、シノバックは中国で作られているので信頼できないとか、ファイザーは管理が大変そうけど、信頼できる。等うわさがはびこっているんです。
日本に最初のワクチンはファイザーなんですが、次に入ってくるのが、アストラゼネカなんです。・・・血栓が心配なんです。
コロナワクチン接種はあくまでも希望者なんですが、どのワクチンを接種するかも希望にしたいです。