クリスマスといえばプレゼント。
朝起きるとプレゼントが置いてある夢のような日を嫌いな子どもはいませんよね!
ところで、もし子どもから「どうしてクリスマスはプレゼントをもらえるの?」と聞かれたらどうしますか?
そもそも「クリスマスって何の日?」と聞かれたとして、子どもにわかりやすく教えてあげられるでしょうか。
クリスマスをもっと楽しめるように、ママやパパもクリスマスの由来や風習をあらためておさらいしましょう。
クリスマスはキリストの誕生日ではなかった
クリスマスはイエス・キリストの降誕(聖人や神様などが誕生すること)をお祝いする日です。
このことから「降誕祭」とも呼ばれます。
よく「クリスマスはキリストの誕生日」と言われることがありますが、新約聖書ではキリストの生まれた日を特定していないため、誕生日ではないという説が有力です。
キリストが誕生した当時は「誕生日」という概念が一般的ではなかったため「生まれた日」はそれほど重要視されておらず、加えてキリスト教では各聖人の命日の方が「記憶日」として祝日に制定されるほど重要であったためという理由もあります。
イエス・キリストはどこで生まれたの?
イエス・キリストはヨルダン川西岸に位置するベツレヘムの家畜小屋で生まれた、と新約聖書に納められた福音書に記述があります。
聖母マリアはヨセフとの婚前に天使ガブリエルから受胎告知を受け、神の子を宿していることを知りました。
キリストが生まれたとされる場所には、339年のローマ帝国コンスタンティヌス帝の頃に「降誕教会」が建立されました。
その降誕教会は、6世紀に火災で失われました(その後、ユスティニアヌス帝の時代に再建され現存)。
そして1882年、降誕教会に隣接してローマカトリック教会の手で「聖カテリナ教会」が建てられ、現在に至ります。
「聖カテリナ教会」では、クリスマスイブから25日にかけて例年大規模なミサが行われます。
クリスマスとはどういう意味?
クリスマスは英語でChristmasと綴ります。
これは「キリストのミサ」という意味です。
Christはキリスト、masはミサ(礼拝)を表します。
Xmasはギリシャ語表記の由来です。このXは英語のエックスではなく、ギリシャ語表記の「キリスト」の頭文字から来ています。
masは礼拝を意味しますが、礼拝とはカトリックにおける「聖体の秘跡」を伴う礼拝を指します。
聖体の秘跡はパンや葡萄酒を口にする儀式で、パンがキリストの身体、葡萄酒が血にあたり、それを受け取って秘跡(神の恵みのしるし)を感じるという、礼拝の中でも最重要儀式です。
つまりクリスマスとは、キリスト教の(聖体の秘跡を伴う)礼拝儀式を意味するのです。
クリスマスイブって前夜のこと?
クリスマスイブの「イブ」とはeveningの古語で、前夜ではなくクリスマスの夜を指します。
キリスト教以前のユダヤ暦と、それを踏襲する教会暦では、日没が日付の変わり目とされています。
そのため12月24日の日没から25日の日没までがクリスマスとなり、クリスマスイブとはすでにクリスマスに含まれている24日の日没から深夜までということになります。
クリスマスの習慣・行事や由来
日本のクリスマスといえば、ツリーを飾ったりチキンやケーキを食べたりするのが定番ですが、世界中ではどのようなクリスマスを過ごすのか少しだけ紹介します。
サンタクロースがプレゼント
煙突から入ってプレゼントを置いていってくれる子どもの憧れの存在ですが、サンタクロースにはモデルとされる存在がいます。
サンタクロースのモデルになったとされるのは、オランダの神話的存在「シンタクラース」です。
キリスト教の聖人ニコラウスではないかといわれ、ミラのニコラオス、バーリーのニコラウスなどとも呼ばれます。
ニコラウスが貧しい家庭に金貨を投げ入れたところ、暖炉にかかっていた靴下の中に金貨が入ったという逸話が「サンタクロースは靴下にプレゼントを入れる」という風習のもとになったようです。
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クリスマスツリーを装飾
クリスマスツリーは、北ヨーロッパに住んでいたゲルマン民族の冬至のお祭り「ユール」が由来とされます。
元々は寒さに強い樫の木を永遠の象徴としてあがめていましたが、信仰を諦めさせるためにキリスト教の宣教師が樫の木を切り倒し、代わりにモミの木を広めたなどの説があるようです。
ほかにも緑が枯れない常緑樹を「永遠」の象徴とした、「神の永遠の愛」「神が与える生命の象徴」としたなど諸説あり。
15世紀頃からモミの木をクリスマスツリーとして飾るようになったようです。
ちなみに、ツリーの頂点に飾る星のオーナメントは、イエス・キリストの降誕を知らせたベツレヘムの星、りんごは知恵の実(禁断の果実)を表しているともいわれます
日本ではクリスマス限定の飾りですが、キリスト教圏では年が明けるまで飾るのが普通。
豊作、魔除け、永遠の愛などを祈り「いつまでも幸せでいられるように」と願いを込めるリースは、新年の幸福を祈る意味がある日本の正月飾りのような存在です。
クリスマスで食べる世界の御馳走は
日本ではチキンやいちごのショートケーキなどを食べるのが定番ですが、クリスマスに特別な料理やお菓子を食べる習慣は世界中にあります。
●日本⇒ チキン、ショートケーキ
●アメリカ⇒ 七面鳥
●フランス⇒ ブッシュドノエル
●ドイツ⇒ シュトーレン
●イタリア⇒ パネトーネ
●イギリス⇒ クリスマスプディング
アメリカでは記念日やお祝いの際に七面鳥を食べる風習があり、クリスマス以外に結婚式やお祭りなどで幅広く食べます。
ただクリスマスに七面鳥を食べる風習はアメリカから世界に広まり、ヨーロッパの多くの国で七面鳥はクリスマスディナーの定番です。
クリスマスはキリストの誕生日ではなかったプレゼントはどうするのまとめ
クリスマスはキリストの誕生日と定番でしたが、そうではなかった。
クリスマスは元々キリスト教徒がイエス・キリストの生誕を祝うお祭りでしたが、現在では世界中で神様や親兄弟などに感謝する日です。
子どもにとってはプレゼントをもらったり、ごちそうを食べられたりする夢のような日ですが、それだけの日ではないと教えてあげてください。
クリスマスの由来などにかこつけて、周りのさまざまなものへ感謝し、人を思いやれるような子になって欲しいなどと愛を伝えながら家族で楽しく過ごしてくださいね