JR花咲沿線の食文化と牡蠣の駅弁が話題沸騰!

この記事は約6分で読めます。

各地域で独自の食文化が根付いているJR花咲線沿線ですが、今回は始発駅である釧路と終着駅の根室を代表する食文化と牡蠣の駅弁をご紹介しています。

長年愛され伝え継がれてきた味を是非ご堪能ください。

 

スポンサーリンク

釧路港繁栄の歴史と共に花開く蕎麦(ソバ)文化

 

創業から145年の時を経て今なお愛され続ける竹老園の蕎麦。「東家」の屋号を掲げるお店は釧路市内だけでも18店舗。その他、暖簾分けや親戚筋によって札幌・旭川・帯広など全道各地へ。

まさに北海道における蕎麦文化の草分け的存在といえる東家が、この地に根を下ろしたのは約100年前。

当時、本格的に整備が始まった釧路港の発展を見込んだ2代目の先見の明によるものだったという。

 

1950年頃には、昭和天皇がお代わりを御所望されたという蘭切りそばや抹茶を練りこんだ茶そばなどユニークなメニューが次々と登場。

 

竹老園ならではの味わいを確立していった

 

受け継がれていく職人の技術と地元の人々への想い。

「蕎麦打ちとつゆの技術。両方があって初めておいしい蕎麦になるんです」と語る5代目店主の伊藤純司さん。

 

東家の蕎麦といえば、宗田節を使ったコクのあるつゆとツルリとした翡翠色の更科蕎麦が基本。

しかし、それぞれの東家に職人のこだわりが光るのも良い所。

 

地元っ子なら、ごく自然に立地や好みに合わせ行きつけの東家をもつというから、なんとも粋である。

 

「全ては支え続けてくれる地元の方のおかげ」と伊藤さん。

 

目の前のお客様に全力で向き合う。長年の歴史は、その一瞬一瞬の積み重ねだということを竹老園の蕎麦は教えてくれる。

花咲線の旅はじめに、文化が香る逸品を味わってみてはいかがだろうか。

竹老園 東家総本店

 

北海道釧路市柏木町3-19
TEL⇒ 0154-41-6291
営業時間⇒ 11:00~18:00
休日⇒ 火曜日定休

 

ニューモンブラン生まれは一流洋食店で市民想いのソウルフード

 

エスカロップとはフランス語で肉や魚の薄切りを指す言葉なんです。
この不思議な名前の料理が根室に伝わったのは、昭和8年頃今はなき洋食店「モンブラン」の新メニュー考案の際、横浜からやってきた古村シェフが伝えたものと言われている。

 

しかし、その頃のモンブランは当時珍しい食材なども扱う高級洋食店。

 

その後、モンブランから独立した梅田勝利さんが「もっと一般の人に気軽に洋食を楽しんでほしい」との思いから「ニューモンブラン」を創業。

 

エスカロップは、そのボリューム満点な旨さと手早く食べられる気軽さから瞬く間に人気メニューとして広まっていった。

 

地元を盛り上げる魅力の発信源として。

こだわりのデミグラスソースは1週間~10日もの間、大きな寸胴に牛骨や野菜を入れ仕込んだもの。

 

カツには阿寒ポークを使用し、注文が入ってから丁寧に揚げていく。

この道30年となる3代目店主の佐野暢哉さんがリズミカルにフライパンをふるうと、黄金色のご飯が舞い踊った。

 

いまや全国から観光客が訪れるニューモンブラン。多い日には一日に150食以上のエスカロップを出すことも。

 

「根室ならではの味として、これからもたくさんの人に魅力を伝えていきたいですね」と佐野さん。

 

根室駅の目の前で味わうことのできるスタミナ満点の一皿は、根室と花咲線の未来にも活力を与えている。

 

ニューモンブラン

 

北海道根室市光和町1-1
TEL⇒ 0153-24-3301
営業時間⇒ 9:00~20:00
休日⇒ 不定休

 

駅弁に恋して!知れば知るほど好きになる「氏家かきめし」

 

「見た目か中身か」と聞かれれば、私は迷わず「両方」と答えるだろう。

 

列車が出発するまでのひととき、私たちは出会い、恋に落ち、共に列車へ乗り込む。

乗車中の数時間はもちろん、その後の旅の命運にも関わるから、覚悟を持って臨まなければならない。

 

それが私の駅弁選びの心構え

 

毎回、入念な下調べはもちろん、全神経を集中させて一つひとつの駅弁と真剣に向き合っている。

だが、うまい駅弁とは一目見た瞬間、ただならぬオーラと品格を醸し出しているものだ。

氏家の牡蠣めし弁当も、まさしくそのうちの一つ。

レトロな風合いの緑の包み紙は厚岸の別寒辺牛湿原(べかんべぎゅうしつげん)を思わせる。

 

なるほど、名物の牡蠣が育つ厚岸湖は、湿原を流れる豊かな淡水とプランクトンに富んだ太平洋が混じりあう汽水湖。

 

牡蠣のおいしさの半分は湿原の旨みでもあるのだ、というメッセージが込められているのだろうか。

勝手な深読みをしつつ、満を持して蓋を開けると、そこには艶やかに輝く炊き込みご飯が。上には牡蠣、ツブ、アサリ、フキとシイタケが丁寧に並べられている。

脇を固めるメンバーも実力派揃いだ。まずはご飯をひとくち噛みしめる。途端に口中にまろやかな甘みと磯の香りが広がっていく。

 

ご飯に混ぜ込まれたひじきと、しっとりと馴染んだ刻み海苔が次の一手を急がせる。

さて、主役の牡蠣は…。

 

上あごと舌の間に挟んだ瞬間、じんわりと煮汁と濃厚なエキスが染み出した。全速力でうまい。

まだ序盤だが、食べ終わってしまうことが今から寂しくなってしまうほど。そんな一抹の切なさとは裏腹に箸は猛スピードで丁寧に仕込まれた具材を次々と制潮していく。

 

驚くべきはフキだ。口に入れた瞬間ふわりと溶けてしまった。このフキ、なんと春から夏にかけては、お店の方自ら鎌を片手に山に採りに行くのだという。

 

旬の味わいと愛情が本来箸休めとなるはずのフキの煮物に驚きの旨さを与えていた。かきめしの具材は、それぞれ一種類ずつ一番おいしくなるタレの配合で煮込まれるという。

毎朝、厨房にはいくつもの鍋が並び、それぞれの火加減でグツグツと火にかけられていく。夏には、たちまちサウナのような暑さになることも。

 

おいしさを守るための妥協なき姿勢に、頭が下がる思いである

初恋のあの子がいつしか理想化されていくのと同様、思い出の中の駅弁も、時が経つにつれてどんどん美化されていく。

 

並々ならぬ期待を胸に「あの頃の味」を求めて再び訪れる人々を裏切らないためにも、老舗の駅弁はたゆまぬ努力を続けいつだって心ときめく味を守り続けている。

 

最後の一粒となった牡蠣をほおばる。こうして私の花咲線の旅は最高のスタートを切った。

どこに居ても、なんでも手に入る世の中で、ここにしかない味わいがあることを嬉しく思う昼下がりだった。

 

厚岸駅前 氏家待合所

 

北海道厚岸郡厚岸町宮園1-15
TEL⇒ 0153-52-3270
営業時間⇒ 8:30~14:30
休日⇒ 木曜日定休

 

タイトルとURLをコピーしました