北海道コロナワクチンの接種はいつどこでするの

A.　2月から医療従事者、4月以降に高齢者

接種は感染や重症化のリスクが高い人を優先的に進める。まずは2月17日以降、国立病院機構など公的100病院の医療従事者1万～2万人が先行接種し、副反応などの安全性を確認するそうなんです。

次は新型コロナ診療に携わる医療従事者ら約370万人が対象で、患者と接する機会が多い救急隊員、保健所職員らも含まれるようです。

4月以降は65歳以上の高齢者約3600万人に優先接種を行う。3ヵ月以内に1人2回ずつの接種を目指すとの事。

一般への接種は6月以降の見込み。基礎疾患（持病）のある人や高齢者施設の従事者が優先されるんです。

A.　契約は3.1億回分、供給はEUの承認次第

政府は米英の製薬会社3社と合計3億1400万回分（1億5700万人分）の供給契約を結んでいる。

承認されたファイザー社とは年内に1億4400万回分の供給を受ける契約なんですが、国際的に獲得競争が激化する中、製造元がある欧州連合（EU）の輸出承認が必要になり、具体的な供給スケジュールは見通せない状況なんです。

1億2千万回分の供給契約を結ぶ英アストラゼネカ社は承認申請中で、承認されれば9千万回分の原液を国内メーカーが製造する。

5千万回分で契約した米モデルナ社は、1月に国内での治験を始めたばかりなんです。

A.　接種券届いたら電話・ネットで予約

高齢者は3月以降、一般の人には4月以降に届く「接種券」が必要になるんです。

接種希望者は病院、診療所、体育館など指定の会場を決めて、電話やインターネットで日時を予約する。

当日は接種券と身分証明書を持参。本人確認の後、予診票を提出し、問診を受けてから接種する。基礎疾患の有無は自己申告になる。

接種は原則、住民票のある市区町村で受ける。高齢者施設の入所者らは施設での接種も可能。

単身赴任や長期入院など正当な理由があれば他の自治体での接種も認められる見込み。職場での接種も検討される。

A.　接種後、6ヵ月は抗体減少せず

まだ長期的な経過観察ができていないので、どれくらい効果が続くか分かっていない。

ただ、ワクチンの治験に参加した人に対する追跡調査では、接種後6ヵ月の時点で、免疫の抗体（体内に侵入したウイルスを退治する機能）の減少がみられなかったそうなんです。

一方、感染して治癒した人を対象とした調査では、治癒後6ヵ月の時点でかなりの人が、免疫は機能していても抗体の数が減っていた。

そのため今回のワクチンによる免疫は、治癒によって自然に獲得したものよりも、長く続く可能性が高いとみられているんです。

A.　共通点は「遺伝子情報」の利用

日本に供給される予定の米ファイザー、モデルナ、英アストラゼネカのワクチンは、新型コロナのタンパク質を作る遺伝情報を利用する点が共通している。

ファイザーとモデルナは遺伝情報を伝えるメッセンジャーRNA（mRNA）という物質を人工合成し、体内で免疫反応を起こさせる。

ファイザーは有効率94.5％で、保管温度マイナス75度。モデルナは同94.1％、同マイナス20度。

アストラゼネカは、遺伝情報を人間に無害なウイルスに組み込む。有効率は66％で、2～8度での冷蔵保管となっている。

A.　副反応少なく、抗体ができやすい

新型コロナのワクチンは上腕の筋肉に注射する。

日本のワクチンは皮下注射が中心だが、開発元の製薬会社が筋肉注射で効果を確認し、国内の承認審査でもそのデータを参考にしているため、筋肉注射で行わなければならないんです。

皮下注射は斜めに針を刺すが、筋肉は皮下組織の下にあるので、針を真っすぐに深く刺す。

海外の治験では7～8割が注射箇所の痛みを訴えたとされる。だるさや頭痛などの報告もあるが、通常数日以内に治まる。筋肉注射は副反応が少なく、抗体ができやすいメリットもあるというんです。

A.　ごく一部にあるが、重症化はまれ

mRNAワクチンは、副次的に起きる反応のうち、接種後15～30分でショック症状が起きるアナフィラキシーショックがやや多いとされているんです。

米疾病対策センター（CDC）によると、100万人に約2～5人でインフルエンザ（100万人に1人程度）に比べると頻度は高いんです。

ただ、発症はごくわずかで、治療法も確立している。医師が確認していれば問題はないとのことなんです。

このほか、治験では神経まひや脳炎の報告はない。また、抗体が症状を悪化させる抗体依存性感染増強現象（ADE）が起きる可能性も低いとみられている。

A.　米では当面打たなくてよし、日本は審査踏まえ今後判断

米国では感染していない人が優先で、既に感染して治った人は当面打たなくていいことになっているんですが、日本は「承認時の審査の内容を踏まえ、今後判断していく」（厚生労働省）という姿勢なんです。

無症状の感染者が接種した場合、免疫が強まり過ぎて体調が悪化するのではないかとの懸念はあるが、悪影響が出るとは考えられていないんです。

イスラエルで行われた接種状況の調査では、1回接種後に発症、重症化した人よりも、2回接種後に重症化した人の方がはるかに少なく、抗体の増加で発症予防効果は高まるんです。

A.　当面は16歳以上、妊娠12週までは避けて

子供が接種対象となるかは、安全性や有効性の情報などを見極めて検討される。国内で承認された米ファイザー社のワクチンは15歳以下の治験データが少ないため、当面は16歳以上が接種対象となるんです。

妊婦や胎児、出生児への安全性もはっきりしていない。

日本産科婦人科学会などは、妊婦を接種対象から外さないとする提言をまとめた。

接種を希望する場合は事前に十分な説明を行って同意を得た上で、母子の適切な管理ができる産婦人科施設などで受ける。妊娠12週までは接種を避けることなども求めている。

A.　全く効かなくなることはない

最近の調査で、南アフリカの変異ウイルスに対してはワクチンの効果が下がったと報告されており、効きが悪くなるケースはあるようなんです。

だが、ワクチン接種で作られる新型コロナのタンパク質は、体内に何十種類もの抗体を生み出す。

ウイルスが変異したとしても、効果を失うのはこのうち数種類にとどまるとみられ、残りについては免疫が機能する。

全ての抗体が一度に機能しなくなることはあり得ないので、ウイルスの変異が続いたとしても、ワクチンが全く効かなくなることはないようなんです。